舞台鑑賞は緊張しちゃう…。内容が分からないかも…。
と思う方、多いのではないでしょうか。
わからなくはないです。どの程度服装を気にしたらいいのか、好みかわからないものに数千円払うのか…とか、考えちゃいますよね。
それでもぜひ、まずは一度劇場を訪れてみてください。日常では感じることのできないものがそこにはあるはずです。
オーケストラやクラシックバレエの発祥元のヨーロッパでは、劇場がもっと身近にあって、活動も活発です。それこそ「劇場に通う」という感覚で、一般市民もあらゆる人が日常的に芸術に触れる文化が根付いています。
日本では「夢追い人」と思われがちな舞台人も、西洋ではちゃんと職業として認められ、雇用されて、カンパニーや国に貢献しています。
人の心・感情を豊かにするのに芸術は欠かせないものです。
日本でももっと、芸術分野の優先順位が上がっていってほしいなと思います。
ちょっと私自身のお話…
私、今のところはここまでの人生の半分の期間はクラシックバレエをずっとやっていました。
あらゆる物事の基準はバレエを続けられること。それができれば何でもいいって感じでした。
というくらい好きだったのですが、「職業にするのは違うなぁ」と感じ、就職は一般企業に進みました。
4年ほど経ったところで、「踊る人たちを支える側」のお仕事に就き、また踊りを目にする日々が始まりました。
今度は踊る側ではなく観る側となって、舞台や踊りと再会したわけですが、やっぱり最高だなと感じる毎日です。
そこにあるのは非日常。
無意識に押し殺してしまっていた感情を思い出したり
普段感じたことのない感情に触れたり
「自分の感情が今揺れている」ということ自体に気づいたり
客観的に観ていた物語にいつの間にか自分を透過していたり
目の前で起きていることに純粋に感動できることって、年々難しくなってきているような気がします。
ほとんどのものは指一本で手に入れることができてしまいますからね。
それから、映画も良いですが舞台芸術のほうが私は好きです。その理由はやっぱり生であるから。
二度と全く同じものはないってことです。
加えてそこに全力で挑む生のエネルギーに触れると、まさに自分もいま生きているなって感じます。
舞台鑑賞というと、ついつい作品の理解に集中しがちですが、ふと自分が今何を感じているのか観察するのも面白いですよ。
ふさぎこみがちの時には外に目を向ける!
近年は「客観視」できることが非常に大切になってきています。
そんな今こそ、舞台鑑賞がおすすめなのです。
舞台上の人は何を思っているのか?
これはなんていう感情だろう?
今自分は何を感じているのか?
そう思うはなぜか?
自分自身が何を感じているのかを考える癖がつくと思います。
もちろんそんなに難しく考えず、美しいものをただ美しいと、身をゆだねることができるのも芸術の素晴らしいところです。
自分が考えていることを正確に掴むことは、冷静な判断・行動にも繋がります。
人間の脳は怒りの感情が前に出やすい構造なので、感じたままに行動すると衝突しやすいです。でも一瞬自分の感情に目を向けて冷静になれれば、相手の気持ちを考える余裕も生まれますよね。
これができるだけでも随分生きやすくなります。
感受性高めの私も日々色んな感情に振り回されがちです。
もし同じような方がいたら、どうかそんな自分を否定せずに、冷静にその感情がどこから来ているのか一度考えてみてください。
向き合っているうちに負の感情は影を薄くしているはずです。
それから、もし「妄想の感情」だったらすぐ捨てちゃいましょう。
余談が入りましたが、いかがですか?
芸術に触れることって「必要なこと」なのでは?と思っていただけたら嬉しいです。
環境の変化などでとくにふさぎこみやすいこの時期。音楽や踊りや演劇に触れてみてはいかがでしょうか。
ひとり部屋で悶々とするよりずっとリラックスできるはずです。
自分のために時間を作って、ぜひ劇場に行ってみてください。
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